【聖霊降臨節第18主日】
礼拝説教「小さいことを恐れない」
山元 克之 牧師 (青山学院高等部聖書科教諭)
<聖書>
ルカによる福音書12:22-34
<讃美歌>
(21)25,17,57,436,65-1,29
小さいことは怖いことです。私たちが普段抱える悩みというのは、大きいための悩みではなく、小さいことのための悩みであることの方が大半です。できない事や、足らない事、持っていない事や、劣ること。そういったことが私たちの悩みの種になる。おそれの原因になる。だから私たちは少しでも大きくなろうとします。それがこの世を生き抜く術だと教わります。
しかし、他の誰よりも小さくなられた神の御子イエス・キリストは、小さいことがどういうことかを知ったうえでお語りになります。「小さな群れよ。恐れるな」小さいものには恐れがあることを他でもない主イエスご自身が、ご自分の事として知っておられ、その事を前提に「恐れることはない」と語ってくださるのです。
名もなき野の花が、人から嫌われている烏が、それでも神の守りのうちにあるように、小さな存在で、弱い私たちも神の守りのうちにあるからだと主は言われるのです。そして小さい者たちに神は「喜んで神の国をくださる」と言われます。十字架と復活はまさに「喜んで神の国をくださる」ことをお示しくださった究極的な出来事でした。だからこそ、私たちは小さいことを恐れず、むしろパウロが語ったように弱きを誇る生き方ができるのです。
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